【ヒストリー】44.警備会社~原名は「用心棒」だったあの社会派ドラマのモデルは?~

    イラスト:トランポリン・松岡 出典:まぼろしチャンネル

    1960年代に大ヒットした番組の一つに、TBS系列で放送されていた「ザ・ガードマン」というテレビドラマがありました。

    このドラマのモデルになったのが、日本で最初に警備会社を興した日本警備保障(株)、現在のセコムです。創業者の飯田亮氏と戸田寿一氏はヨーロッパ帰りの共通の友人から、「欧米にはセキュリティ会社があり、警備という仕事がある」と聞き、まだ日本にない新しい事業であることから創業を決断しました。当初は苦戦しつつも、東京オリンピックの警備を担当したことで徐々に知名度が上がっていきましたが、大量に人を採用しなければ業績が上がらない人的警備の発展性に疑問を感じ、1966(昭和41)年、日本初のオンライン安全システム「SPアラーム」を開発しました。

    2020.5.18追記
    読者の方よりご指摘があり、「日本で一番最初の警備会社は日本船貨保全株式会社(現:株式会社大日警)」とのメッセージをいただきました。メッセージによりますと、同社の創業が1962年3月27日で、セコムの前身である日本警備保障株式会社の創業は、同年の7月7日とのことです。ご指摘ありがとうございます。
    参考:沿革 | 会社情報 | 株式会社大日警

    「SPアラーム」のスタート時は伸び悩みましたが、連続射殺魔事件の犯人逮捕のきっかけとなったのを機に、急成長していた巡回警備を思い切って廃止し、いわゆる警備会社からセキュリティ会社への転換に成功しました。

    ちなみに、TBSが「ザ・ガードマン」を制作するにあたり、同社に提示した番組名は「東京用心棒」でした。しかし、当時社長だった飯田氏が「我々は用心棒ではない」とこれを却下、そして逆提示したのが「ザ・ガードマン」と言われています。ガードマンは和製英語ですが、その名前を始めて使って世に知らしめたのも、セコム社、ということになるのかもしれませんね。

    参考:日本で初めての警備保障会社を創業し日本の社会に「安全産業」を興す|セコム