【ヒストリー】19.電気冷蔵庫②~冷蔵庫が買えれば一軒家も買える?!~

    日本における冷蔵庫の歴史は、
    1923(大正12)年に三井物産が、
    GE社の電気冷蔵庫を初めて輸入したことから始まります。

    GE社はそれまでの手押しポンプや蒸気機関などに代わり、
    電気コンプレッサーで冷媒を圧縮する電気冷蔵庫を、
    1910年(明治43年)に世界で初めて開発し、
    これが世界で最初の電気冷蔵庫になりました。

    そして三井物産が輸入した
    GE社製電気冷蔵庫の国内販売を手掛けながら、
    自らも熱心に研究開発を進め、
    ついに国産第1号の商品を世に生み出したのが
    芝浦製作所(現:東芝)です。

    芝浦製作所は1930(昭和5)年に
    GE社の製品をモデルにして、
    SS-1200と呼ばれる自社製品を完成させ、
    3年後に販売を開始いたしました。
    ↓↓↓
    https://homepage-town.jp/mikado-d/reference/201509.html#/history

    その陰には、GE社の出向役員から
    「日本の技術力では無理」と断言されたことに発奮した、
    藤島亀太郎氏(後に東芝機械初代社長)らの
    懸命の技術開発と努力がありました。

    初めての国産電機冷蔵庫、SS-1200の当時の価格は720円。

    これは庭つきの家が一軒買えるくらい超贅沢品であっため、
    購入者はお金持ちや高級レストランなどに限られました。

    しかしその後、1960年代に技術の著しい進化と
    コストダウンがはかられたため、
    電気冷蔵庫はここで一気に一般家庭に普及しました。

    それ以前の電気冷蔵庫は白黒テレビ・洗濯機と並んで
    「三種の神器」と言われ庶民のあこがれの的でしたが、
    低価格化で誰でも買えるようになり、
    次第に家庭の必需品となっていきました。

    ちなみに、電気がまだ普及していなかった時代に、
    実験用のアンモニア吸収式冷凍機を使い、日本で初めて人工的に氷をつくったのは東京大学です。けれどそれが最初に使われたのは、なんと熱病になった福沢諭吉のためでした。今は、福沢諭吉のようなVIPでなくても、手軽に氷が手に入る時代です。日本で初めて製氷機の恩恵にあずかった諭吉が見たら、驚くかもしれませんね。