【ヒストリー】18.電気洗濯機①~洗濯機もガラパゴス?~

    最初の国産電機洗濯機は
    芝浦製作所(現:東芝)が1930年(昭和5年)に
    アメリカの技術を導入して「ソーラーA型」という商品を
    製造販売したのが第一号です。

    洗濯方式は撹拌式で、
    ドラムの中央に水をかき混ぜる
    回転棒のようなものが付いていました。

    「ソーラーA型」は、当時、約370円で発売されましたが、
    その頃の銀行員の初任給が約70円。

    そのため電気洗濯機は普及せず、
    戦後は進駐軍向けに納入されていましたが
    「日本人メイドの人件費が安く、しかも上手に手で洗ってくれる」
    という理由で納入が打ち切られてしまいました。

    日本で一気に洗濯機が普及したのは、
    三洋が1953年に発売した噴流式洗濯機で、
    回転翼(パルセータ)を洗濯槽の横につけて水流を起こす
    現在の洗濯機(渦巻き式)の原型にあたるものです。

    この商品は撹拌式よりも小型で、
    少ない水で洗え、布を傷めず、
    しかも従来よりも安い価格だったため爆発的に売れました。
    ↓↓↓
    https://homepage-town.jp/mikado-d/reference/201508.html#history

    その後、日本の洗濯機は独自の進化を遂げていきますが、
    撹拌式の米国やドラム式の欧州と異なり、
    日本の洗濯機は依然として渦巻き式が主流です。

    それは大量にまとめ洗いする米国の文化や、
    汚れが落ちにくい硬水のため
    お湯で叩き洗いする必要があったヨーロッパの環境と違い、
    川の流水で少量をまめに洗濯してきた
    日本人独自のものと言えるかもしれません。

    日本の洗濯機は
    「川で洗濯をする桃太郎のお婆さん」の
    イメージに近いのかもしれませんね。