【ヒストリー】15.炊飯器~主婦のライフスタイルを変えた大ヒット商品~

    最初の電気炊飯器は1955年(昭和30年)に
    東芝(当時は東京芝浦電気)から発売されました。

    炊飯は米の量や室内の温度で沸騰までの時間が異なるため、
    タイマーで一定時間加熱するだけでは生煮えや焦げ付きを防げず、
    家電メーカー失敗続きの試行錯誤を繰り返していました。

    この問題を解決したのは、
    東芝の協力会社「光伸社」の三並義忠社長です。

    東芝からの提案を受けて開発に着手した三並氏は、
    4か月間に1000回ご飯を炊いた妻や家族の協力で
    「美味しいご飯は98℃で約20分」という
    計測データを得ました。

    そして蒸し調理器からヒントを得て
    「二重釜間接炊き」という方法を発案し
    商品化につなげたのです。
    ↓↓↓
    https://homepage-town.jp/mikado-d/reference/201505.html#history

    この方法では、外釜に
    コップ一杯(約20分で蒸発する量)の水を入れ、
    それが蒸発すると釜の温度が100℃以上になることから、
    温度変化で形状が変わるバイメタルを使った
    サーモスタットで自動的にスイッチを切ることができます。

    また、釜の二重化によって外気温の影響を受けにくくなり、
    南北に長い日本のどの地方でも季節を問わず
    同じ品質のお米が炊けるようになりました。
    さらに別売りのタイマーと組み合わせることで
    予約炊飯も可能にしました。

    最初は反応が鈍かった消費者も
    農村での実演販売をきっかけに爆発的に売れ行きが上がり、
    4年後には日本の全家庭の約半数にまで普及しました。

    「君は、寝ている間に飯を炊こうなんて怠け者の女房を
    もらいたいかね」と社内では開発に
    批判の声も上がった自動炊飯器ですが、
    やがて世界中で5億個を売り上げ、
    主婦のライフスタイルを劇的に変える
    大ヒット商品になりました。