【ヒストリー】10.地熱発電所②~ラルデレロはベビーパウダーと地熱発電のふるさと~

    世界で最初の地熱発電はイタリアのラルデレロから始まりました。

    ラルデレロでは19世紀前半よりホウ酸が生産されてきました。
    ラルデレロという地名はこの地でホウ酸の大量生産に成功した
    フランス出身の技術者フランソワ・ド・ラルドレルに
    ちなんだ名前です。

    ラルドレルの起こした化学会社では
    高温の地下水に含まれるホウ酸を
    ボイラーで蒸発させて抽出していましたが、
    次第に燃料となる近隣の木々が枯渇してきました。

    そこで彼は地熱に着目し、
    1827 年に地熱水の熱を蒸発過程に利用する
    プラントを開発しました。

    燃料の不安がなくなった会社は順調に業績を伸ばし、
    やがてヨーロッパのホウ酸市場を独占するに至りました。

    1904年、この会社で地熱蒸気を用いた発電実験が成功し、
    1913 年には世界で初めて地熱発電が商用化されました。

    ラルデレロではその後、順調に地熱発電が進展し、
    第2次世界大戦中での1942年には
    総出力は12万kWを超えるまでに成長しました。
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    https://homepage-town.jp/mikado-d/reference/201412.html#history

    ラルデレロはホウ酸をつかった
    ベビーパウダー発祥の地とも言われています。
    ベビーパウダーを発明した薬局は
    世襲の経営者一族として繁栄したラルドレル家の
    建物の隣にあったとのこと。

    ホウ酸生産の代替エネルギーだった地熱が
    やがて当地の発電の主役となっていったことに
    歴史の面白さを感じますね。