単位の歴史(02)~アンペアとアンペール~

    電流計

    アンペアは電流の単位です。一般的な家庭の場合、1アンペアは100ワットの電球がつく電流、10アンペアは1000ワットのドライヤーを動かせる電流です。

    最新の定義では「1秒間に電子624京1509兆6291億5265万個分の電荷を運ぶ電流」とされており、これは2019年5月20日に決まったばかりの定義です。

    Ampere_Andre_1825電力(W)=電圧(V)×電流(A)×力率 なので、小さな電流でも大きな電圧があれば相応の電力が得られます。流しそうめんの水路に障害物(抵抗)を置いたとき、そうめんがスムーズに障害物を超えられるかどうかは、水路の高低差(電圧)によるのは想像がつくと思います。

    「アンペア」は、フランスの物理学者であり、数学者でもあるアンドレ=マリ・アンペールの名前からつけられました。

    アンペールはアンペールの法則を発見した人ですが、これは「直流電流を流したとき、直流電流の周りには磁場ができる」ことを表し、電流の周りに生じる磁界の強さや方向を示したものです。

    アンペールは幼い時から才能を発揮した天才ですが、天才にありがちな風変わりな面も少なからずあったようで、いかさま師を信用して大金を失ったり、 黒板を消したハンカチで顔を拭いたり、学士院の会員仲間であったあのナポレオンに気付かないこともあるなど、ユニークなエピソードも多々あったようです。