もっと知りたいエネマネ講座⑦ ~創エネルギーと蓄エネルギー~

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今回は創エネルギーと蓄エネルギーについてです。それぞれの具体例やメリット・デメリットを解説します(表伸也)

 

創エネルギーとは?畜エネルギーとは?

もっと知りたいエネマネ講座

創エネルギーとは、文字通りエネルギーを創り出すことであり、主に再生可能エネルギーによる発電を指します。蓄エネルギーは、エネルギーを蓄え(蓄電)必要なときにそのエネルギーを使用する(放電)のことであり、代表的な蓄エネルギー設備はバッテリーです。

具体的にはどんなものがあるか

以下に創エネルギーと蓄エネルギーの事例を示します。

太陽光発電

ソーラーパネル,メガソーラー

太陽電池により太陽光エネルギーをそのまま電力に変換する発電方式です。

メリットは

  • 屋根や遊休地等のスペースを有効活用出来る
  • エネルギー源が無限に近いので枯渇の心配がない
  • 発電時にCO2(二酸化炭素)、SOX(硫黄酸化物)、NOX(窒素酸化物)などの大気汚染物質を排出しないため、環境への負荷が極めて少ない
  • メンテナンスが容易
  • 非常時の備えになる
  • 燃料が不要なため、利益率が高い

デメリットは

  • 広い設置スペースが必要
  • 天候や環境によって、発電量に影響が出る
  • 夜間は発電出来ない

です。したがって、蓄電池と組み合わせ昼間太陽光発電で充電し、発電できない夜間などは蓄電池から放電し電力を賄うことで、太陽光発電電力を安定的且つ効率的に使用することができるようになります。

風力発電

風力発電

風の力で回した風車の回転運動で発電機を起動させる発電方式です。

メリットは

  • 資源が枯渇しない
  • 発電時にCO2(二酸化炭素)、SOX(硫黄酸化物)、NOX(窒素酸化物)などの大気汚染物質を排出しないため、環境への負荷が極めて少ない
  • 夜間でも発電が可能
  • 非常時の備えになる
  • 燃料が不要なため、利益率が高い

デメリットは

  • 風況により発電量が不安定になる時がある
  • 騒音が発生する
  • メンテナンス費用が高い

です。したがって、蓄電池と組み合わせ風の強いときは風力発電で充電し、風の弱いときは蓄電池から放電し電力を賄うことで、風力発電を安定的且つ効率的に使用することができるようになります。

その他の創エネルギー

その他の創エネルギーとして以下があります。発電自体はある程度安定しているため、蓄電池と組み合わせる必要性は低いです。

水力発電

自然の水流を利用した発電方式で、水路や川などに設置し水流でスクリューを回し発電します。昨今は200kW未満の中小規模の発電が増えてきています。電力会社が夜間等電力需要が少ない時にポンプで上部の貯水池に揚水し、昼間等電力需要が高まった時に貯水池の水を利用して発電する揚水式は、発電のみではなく電力を使用するため、再生可能エネルギー発電とは言えません。ただし、揚水を太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーで行えば、再生可能エネルギー発電と言え且つ貯水池が蓄エネルギーの機能を果たすことができるようになります(貯水池≒蓄電池)。

バイオマス発電

発電の仕組みは、火力発電所とほぼ同様で違いは燃料です。バイオマス発電は、燃料に木質資源、下水汚泥、家畜糞尿、食物残渣等の動植物から生まれた再生可能な有機性資源を使います。これらの燃料を燃やして発電するため、CO2は発生するものの植物は成長過程では光合成により大気中のCO2を吸収するため、排出と吸収によるCO2の増減はゼロ(カーボンニュートラルという)となり再生可能エネルギー発電と言えます。

安定的に発電できますが、発電には多くの燃料が必要であるため、燃料の安定的確保が重要な鍵となります。

地熱発電

温泉バイナリー発電地球の内部の地熱をエネルギー源とし、地熱によって発生した天然の水蒸気を用いてタービンを回し電力を作るという仕組みです。

電力会社のような大規模な地熱発電は一般企業が実施するのは非現実的ですが、比較的小規模なバイナリー方式の温泉発電が実現してきています。

バイナリー方式は、地熱流体の温度が低く、十分な蒸気が得られ ない時などに、地熱流体で沸点の低い媒体(例:ペンタン、沸点36℃)を加熱し、媒体蒸気でタービンを回して発電する方式です。したがって、温泉の温度でも発電できることになります。

燃料電池と蓄電池としての水素

燃料電池の基本構造

(出典:化学業界の話題)

燃料電池とは、水素を燃料とし空気中の酸素と反応させて発電する設備です。名前に電池が付きますが蓄電はできません。発電の際に排出されるのは水だけなので、環境影響が非常に少ないのが特徴です。

問題は燃料の水素を作る手段です。通常の火力発電の電力を使用し水の電気分解で作り出したのでは、再生可能エネルギー発電とは言えません。しかし、水素を太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーで作り出せば、再生可能エネルギー発電となります。

また、作り出した水素はタンクなどに貯めておき必要に応じて発電に使うことで、水素は蓄電池の役割となり、発電も非常に安定してできるようになります。つまり、自然環境に左右される非常に不安定な太陽光発電や風力発電でも、一旦水素として蓄エネルギーすることで、非常に安定したエネルギーに生まれ変わるのです。

今後は水素による蓄エネルギーが、重要ポイントになってくると思われます。

(次回につづく)


表伸也執行役員_20170913_135714_565表伸也(おもて しんや)
ミカド電装商事(株)執行役員 工務部長

大手通信会社のエネルギー管理士として、大規模データセンター等のエネルギー管理業務に長年携わり、数多くの電力設備・空調設備等の省エネ実績を持つ。近年では、太陽光発電設備の設計・施工等創エネに関する実績も豊富な、エネルギーマネジメントのエキスパートである。2018年より環境省環境カウンセラー

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