単位の歴史(28)~1光年の星の光は1年前の光~

    1光年=約9兆5000億km

    光年は天文学で用いられる距離(長さ)の単位です。非SI単位ですが特定の恒星までの距離を表すときなど、宇宙の距離を示すのによく使われていますよね。

    皆さんご存じのように1光年は光が1年間に進む距離ですが、1秒で地球を7回半も回ってしまう光の1年分って、いったいどのぐらいの距離なのでしょう?

    1光年をkmで表すと 1光年=約9兆5000億km です!こういったスケールの大きな単位に置き換えないと、宇宙の距離は天文学的な数字になってしまうため、星を語るには便利な単位かもしれません。

    光ではあまりに現実感がないので、これを新幹線に換算してみると、なんと新幹線が約361万年かけて進む距離だそうです。なんだか余計にピンときませんね^^

    このぐらい気の遠くなる距離になると、長さだけでなく時間のことも念頭に入れなければならくなります。

    たとえば1光年の距離にある星を見ている場合、その光は1年前に発せられた光であるということです。なのでその星がもうなくなっていても、それは1年後にならないとわからないということになります。

    ちなみに身近な月や太陽でも少しの時間差があり、月は約1.3秒、太陽は約8分前の光を見ていることになるそうです。

    光年という単位はドイツのウレが初めて使用

    光年(英: light-year、独: Lichtjahr)という言葉を最初に使ったのは、自然科学の普及で知られるドイツの作家、オットー・エドゥアルト・ヴィンツェンツ・ウレ(1820 – 1876)です。

    ウレはDeutsches Museum: Zeitschrift für Literatur, Kunst u. Öffentliches …, Volume 1(ドイツ博物館:文学、芸術、公的生活のための雑誌。)の人気天文記事の中で光年という単位を始めて使いました。

    ウレは大学で神学や数学や自然科学を学んで修士号を取得し、授業を担当したこともありますが、その後はフリーランスの作家として活動し、雑誌なども創刊しました。

    ウレの前にもドイツの数学者で天文学者のフリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセル(1784 – 1846)が、はくちょう座61番星までの距離を、「光が1年間に通過する距離」の10.3倍(最新の観測では11.4光年)であることを見いだしていますが、単位として使ったわけではないようです。

    光年は英語で「light-year」ドイツ語でも「Lichtjahr」なのでどこに行ってもそのまま直訳されるようです。(ミカドONLINE編集部)


    引用/参照記事 「1光年」て実際どのくらいなの?新幹線で旅してイメージ! など