単位の歴史(31)~rpmは回転数。今だからこそ調べてみたアナログレコードの素朴な疑問~

    bpsは一秒間のデータ容量

    rpm(アールピーエム)は、英語の”revolutions per minute”または”rotations per minute”の略で、1分の間での回転数です。

    Wikipediaには「電動機(モーター)やエンジンを搭載した製品や、ハードディスクドライブなどのカタログや取扱説明書の仕様などにおいて、スペックの表示に用いられる」などと書いてありますが、冗談じゃない、rpmといえばレコードでしょう!と、つい思ってしまうあなたは私と同世代(以上?)かもしれません(笑)

    そういえば45rpm studioが提供する45rpmというジーンズ系・カジュアル系のブランドもありましたよね。今もあるのかな。ニュージーランドのスポーツブランドでRPMというのもあるようです。

    今回はrpmを調べても、興味深いお話がまったく出て来なかったので、ここはひとつアナログレコードについての素朴な疑問と答えを並べてみました。

    LPは何の略?

    「ロングプレイング(Long Playing)」の略だそうです。アメリカのコロムビア社が1948年に開発した長時間レコードで、両面で約1時間の再生ができる12インチ(30㎝)33回転(rpm)のアルバムサイズのレコードを指します。※正確には33と1/3回転

    ちなみにEPは「Extended Playing」の略で、Extended」は「伸ばす」や「広げる」という意味です。7インチ(17㎝)45回転(rpm)のシングルレコードの演奏時間は通常5分程度ですが、それに技術的な工夫を加えて8分程度まで伸ばし2~3曲収録できるようにしたものを本来はEPというそうです。

    けれど個人的にはそこまで厳密に区別して考えたことはなく(意識したこともない)
    LP=アルバム=30㎝
    EP=シングル=17㎝
    と、ざっくり勝手に思っていました・・・ヒットチャートも「アルバム」「シングル」という分け方でしたしね^^

    なぜ33回転と45回転があるの?

    これは話せば長い話になりますが、要約すると、品質がばらばらで回転数の種類も複数あった蓄音機時代のレコードに対して、コロムビアレコード(米)がLPサイズで33回転の新しいレコード規格を提案したときに、RCAコロンビアだけが別方式を開発中ということで応じなかったことが原因です。

    RCAビクター(米)が開発したのは45回転のEPサイズ(17㎝)でした。けれどそれがポピュラー音楽のシングルレコードにはちょうどいいサイズだったので、そちらも各社に採用されて、結果的に2つの規格が生まれました。

    残念ながら「33」「45」という具体的な数字の根拠まではわかりませんでしたが、蓄音機時代のレコードで多く採用されていた78回転の78という数字に関しては、こちらのブログによると米国の電気の周波数60ヘルツで回るモーターのギヤ比と関係があるそうです。

    ちなみにLP(ロングプレイング)レコードが登場したことにより、それまでのレコードはLPと区別してSP(スタンダードプレイング)と呼ばれるようになったとのこと。最初からSPと言われていたわけではなかったんですね。

    シングルレコードの穴はなぜ大きいの?

    これはジュークボックスにセットするための穴だそうです。今どきの若い方はご存じないと思いますが、昔は飲食店やホテルやレジャー施設などに、硬貨を入れて音楽を選ぶとその曲を大きな音で店内に流してくれる装置があったんですよね。当時はとてもアナログな時代なので、装置の中にはレコードがたくさん入っていて、本当に針で再生していたんです。

    ちなみにすべてのシングルレコードの穴が大きかったわけではなく、私が持っていた童謡のレコードは小さい穴でした(しかも歌謡曲のように45回転ではなく33回転だったような・・?)。これはきっと、そもそもジュークボックスにセットすることを想定していない分野の音楽だったからかもしれませんね。

    穴が大きいこのシングルレコードはドーナツ盤とも呼ばれましたが、レコードプレイヤーでドーナツ盤を再生するときには、レコードが正確にターンテーブルの真ん中に来るよう、EPアダプターという部品をスピンドルにはめてからレコードをセットしました。いやぁ、かつてはそんなモノがあったということを何十年かぶりに思い出しました^^

     

    今ならネット検索ですぐわかる

    アナログレコードが全盛だった時代はインターネットもなく、こういった雑学に関しては、本で調べることさえ大変でした。(まずは本探しから始めなくはならない。知りたいことが書いてありそうな本を探すのがまずひと苦労)

    親に聞いてもわからなければ、基本的にそのままになってしまうようなかつての疑問は、かくして「検索」であっという間に答えを得ることができましたが、そうやってみると本当に今は調べ物が楽な時代だな、と心から思います。皆さんも子供の頃の疑問を思い出して、この機会に改めてネットで調べてみてはいかがでしょうか。

    (ミカドONLINE編集部)


    引用・参照記事/画像サイト 7インチと12インチレコードの違い 大きさが違っても聴けるの? 懐かしのシングル・レコード 45回転のレコードって、ドーナツ盤じゃないのですか(Yahoo!知恵袋) The History of Record and Recording レコードのEP盤はなぜ45回転でドーナツ状になっているのですか?(Yahoo!知恵袋) 「EP盤」と「LP盤」は何の略か知っていますか? 蓄音機のはなし ほか各項目のWikipedia など