単位の歴史(21)~ルーメンは放射光を線の集合体に見立てて表わす光束量の単位です~

みかドン ミカどんルクスやルーメンやカンデラなど、光の単位ってなんとなくわかりづらいですよね。前回はルクスについて場所の明るさを示す照度の単位とお伝えしましたが、今回はLEDランプの普及で目にする機会が増えたルーメンを取り上げます。

(画像:こうじい奮闘記

ルーメンは光源から放たれる光の送料を示す単位です

(画像:Amazon

ルーメンは光源が放つ光の総量を表す単位です。プロジェクターでは以前から使われていましたが、最近はLED電球のスペックを表す単位にも使われているため、目にする機会が増えましたね。

LED電球が登場する前の電球の明るさは、長い間40W、60Wなどの消費電力で表示されており感覚的にも馴染みがありました。

ところが同程度の明るさを少ない消費電力で実現できるLEDランプの登場で、明るさをワットで表すことが現実的ではなくなり、2011年7月以降、LED電球の明るさは、全光束を表すルーメンに統一されました。これは明るさの性能をより正しく認識しやすくしようという業界団体「日本電球工業会」の働きかけによるものでした。

プロジェクターで最初からルーメンが使われていた理由は、残念ながら調べてもよくわかりませんでしたが、初期のプロジェクターは白熱灯より発光効率の高い水銀ランプが使われていたため、電球とは違う単位のほうが、性能の比較に都合がよかったのかもしれませんね(推測)。

LED電球の性能はルーメンに統一されましたが、桁が多く半端でわかりにくい数字のため、最近の製品では日本照明工業会によって定められたガイドラインに従い、「XX型相当」という表示のほうが大きく掲載されるようになりました。

ルーメンは単位面積を通過する光の量を表わしたもの

(画像:産総研

ルーメンはラテン語で「光」や「採光の窓」を表す言葉ですが、その定義は難しく国際単位系で1ルーメンは「全ての方向に対して1カンデラの光度を持つ標準の点光源が1ステラジアンの立体角内に放出する光束」とされています。

※1カンデラはほぼローソク1本分の光で、1ステラジアンは球体の立体角を表しています。

(画像:、光の単位

これをわかりやすく言えば、ある立体角の単位面積を通過する光の量ということになります。

光も電磁波の一種なので、特定の波長で特定の方向に進んでいきますから、それが何本通過したか?という考え方をもちいて光の量を表します。ルーメンが日本語で「光束の単位」と呼ばれる理由もそのためです。

(画像:ウシオ電機

実際の計測は150万円もする国家標準球(全光束標準電球)という測定用の電球を基準に、積分球という大きなカプセルで測定されますが、その数字がそのままルーメンになるわけではありません。

人間の目は同じ光の量でも黄緑色の成分が入った光を明るいと感じる特性があるため、人の目が感じる光の強さに合わせて補正を加えた値がルーメンになっています。

ルーメンはフランスのアンドレ・ブロンデルが考案

ルーメンという単位自体は1925年につくられていますが、それは古い基準によるものでした。

現在、私たちが知っているルーメンはフランスの技術者であり物理学者でもアンドレ・ブロンデル(1863 ~1938)によって考案されたものです。

ブロンデルは、交流波形を観測・記録できる当時唯一の計測器だったガルバノメータ型電磁オシログラフの原理を発明した人物です。(実用化はイギリスのダッデル)

それはブラウン管の陰極オシロスコープが登場するまでは世界中で広く使われました。

治安判事の一家に生まれたブロンデルは、国立土木学校を優秀な成績で卒業した後、現役を引退するまで灯台と無線通信の技術者として働きましたが、若いころに足に麻痺が生じ、27年間も自由な外出ができませんでした。

それでもブロンデルは研究をやめず、1894年に投光器の測光理論をまとめて新しい発想でルーメンという単位を提案しました。それが1896年の国際電気会議によって承認されて今に至っています。

ブロンデルは、ブロンデルの定理(単相電力計を2つもってくれば三相電力が計測出来る)なども発見しており、その功績をたたえてフランスでは切手も発行されていますが、日本ではルーメンという単位ほど知られていないのが、ちょっと残念ですね。

(ミカドONLINE編集部)


参考/参照記事  明るさの定義と単位 東芝LED電球 選び方、使い方 そこが知りたい家電の新技術LED電球の明るさの単位「ルーメン」はどうやって測る? André Blondel(Wikipedia英語版) 電磁オシログラフの開発と国産技術の進歩 ブロンデルの定理の話 など

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