【雑学】三度目の正直だった仙台青葉まつりの歴史

    昭和31年頃の青葉神社例祭(青葉まつり) (撮影/阿部幹夫氏) 出典:オモイデアーカイブ

    ある日、仙台市中心部のアーケード街のひとつであるサンモール一番町の中に、地味だけど真新しい小さな山車が突然飾られていて「これは何だろう?」と思いました。それが1985年(昭和60年)に復活した、仙台の新しいお祭り『青葉まつり』で、初めての出番を待っている山鉾でした。

    仙台の青葉まつりは毎年5月、第3週目の土・日に開催されますが、もともとは仙台東照宮で江戸時代から行われた古い祭礼「仙台祭」がルーツで、秋に藩をあげて行われる東日本屈指の盛大なお祭として知られ、仙台藩主は代々この巡行を国分町西側で拝するのが慣例でした。

    やがて明治7年に仙台藩主伊達政宗公を祀ってできた青葉神社(青葉区通町)が建立されると、仙台祭は青葉神社例祭となって受け継がれ、政宗公の命日である5月24日に行われるようになりました。しかし、祭りの継続を阻んだものは、なんと、当時普及し始めた電気の電線でした。それが巡行の障害となって祭りは明治32年に一度幕を閉じたのです。

    表小路を通る青葉駒山鉾 ※出典:Wikipedia

    その後、1956(昭和31)年にまつりが復活したものの、交通事情により昭和40年に再び祭りは途絶え、私がサンモール一番町で小さな山鉾を見たあの年は、なんと3度目の復活だったんですね。

    今ではすずめ踊りの祭連(まづら)も市内の各地域に増え、お祭り以外のイベントでも演技の機会が設けられるなど、活気と知名度と増している仙台青葉まつりですが、明治以降は中止と復活を繰り返してきたんですね。

    今年の青葉まつりは5月20日(土)21日(日)の二日間です。今回は伊達政宗公誕生450年に当たるそうです。政宗公にはぜひ、 瑞鳳殿の空の上から賑やかな風景をご覧いただきたいものですが、B型(遺骨から判明)だから、当日はマイペースで地元にはいなかったりしてね(笑)