エネマネことばの窓21 ~環境への取り組みをランキングするCDPは株価を左右する重要な指標~

    エネルギーマネージメント「ことばの窓」

    みかドン ミカどん先月(2020年9月)、愛知県のウェイストボックスという環境コンサルティング会社から「日本で唯一のCDP気候変動コンサルティングパートナーとして認定」というニュースリリースが発表されました。CDPとはいったいなんでしょうか?

    持続可能な社会に向けた環境活動は企業にとって重要です

    9月に発表された株式会社ウェイストボックスのニュースリリースです。

    【お知らせ】現在、日本で唯一のCDP気候変動コンサルティングパートナーとして認定

    (引用:株式会社ウェイストボックス

    同社は企業や行政機関のCO2排出量の見える化を支援している会社とのことですが、今後はよりいっそうCDPに沿った支援を強化していくようです。

    さて上記の文章の中の言葉について、このシリーズではすでにRE100SBTTCFDについて解説をしてきました。今回はCDPについてピックアップしますが、それにしてもエネルギーマネジメントや環境対策などの用語は、アルファベットの羅列で本当にわかりにくいですよね。

    海外発祥の組織や活動の略称なので仕方がないことかもしれませんが、一般の皆様にはわかりにくい言葉でも、グローバルな企業やそのサプライチェーンにとってはこれらがとても重要です。

    それはここでもかねてから書いているように、それとどうかかわるかによって資金調達が左右されるからです。

    CDPは主要企業の活動を機関投資家に開示する機関

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    CDPとは、2000年に発足したロンドンに本部を置く国際的な非営利団体です。世界主要企業の環境活動に関する情報を収集・分析・評価し、これらの結果を機関投資家向けに開示しています。

    CDPの発足当初は、企業による二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を「見える化」する取り組みを意味する「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト」の略称でしたが、気候変動のみではなく、水資源や森林資源まで活動領域が拡大されたこともあり、2013年に略称であった「CDP」を正式名称に変更しました。

    CDPは重要な環境情報の開示を企業に要請することに賛同する「署名投資家」を募り、投資家の代わりに世界中の企業に質問書を送付、情報開示を要請します。このデータを収集・発信することで、企業に情報の透明性を求めます。2017年時点で、800以上の機関投資家がこれらに参加しており、これらの署名投資家たちの運用資産総額は100兆米ドルになると言われています。

    CDPの情報開示プログラムは複数の分野があり、2020年2月時点で、企業向けには「気候変動」「ウォーターセキュリティ」「フォレスト」の3種類の質問書があります。そして年に一度質問が公開され(毎年内容が異なるとのこと)、各企業は期日までにウェブ上から回答しますが、企業として答える内容なので事前に決済が必要だったり、時間がかかる数字の算出があるなど、回答までにはそれなりの期間を要します。

    2017年の「ウオーター」分野の質問書(PDF)

    CDPにより環境に関する取り組みへのランク付けが可能に

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    CDPが発足する前は、機関投資家は各社が発効する環境報告書などを一つ一つ精査して、各社の気候変動対策の状況を調べるしかありませんでした。さらに環境報告書には統一されたフォーマットがあるわけではなかったので、企業を比較して優劣をつけることもできませんでした。

    けれどESG投資が活発になった現在、投資家はPER(株価収益率)やROE(自己資本収益率)のように、同業他社を環境の視点で比較できる指標を求めており、その役割を担っている組織がCDPということになります。

    CDPは気候変動分野において最も信頼されている指標といってよく、機関投資家はそのスコアを見て投資先を判断することができるようになりました。ちなみにここでのリーダー企業の株価上昇は通常銘柄と比較して26%高いそうです。

    結果はすべてネット上で以下に公開されています。英文のページですが、Contryで絞り込みをすると日本企業の成績も閲覧することができますよ。(表示に少し時間がかかるようです)

    CDP Explore the full scores

    それにしてもCDPを通じて情報開示を行っている8400社以上の企業の時価総額の合計が世界のの50パーセントを占めるそうです。持続可能な社会につながる実際の活動と共に投資家の評価も得ていきたい企業は規模の上でも限られてくると思いますが、世界の8400社で50パーセントにもなるのは意外でした。

    よく世界の富の8割は2割の富裕層が所有しているといいますが、企業の利益も同様かもしれません。けれど持続可能な世界への責任は企業の大小にかかわらないはずです。CDPがあってもなくても、できることに取り組んでいきたいものですね。

    (ミカドONLINE編集部)


    出典/参考記事:【お知らせ】現在、日本で唯一のCDP気候変動コンサルティングパートナーとして認定 環境分野で最重要の格付指標となった「CDP」、効果的に活用するポイントとは? CDPとは?よくある疑問に回答! 2019年度「気候変動Aリスト」発表!日本企業は38社が選出され、初めて世界トップに! カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)とは など