もっと知りたいエネマネ講座⑩ ~まとめ「STOP!自然災害と温暖化」~

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記録的な豪雨となった今回の台風19号は各地に大きな被害をもたらし、本日の時点でも行方不明の方がまだいらっしゃいます。被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
最終回の今回は、自然災害と温暖化の防止についてまとめ、16歳の少女活動家グレタ・トゥーンベリさんの演説をご紹介して連載を終えたいと思います。
(ミカド電装商事(株)取締役環境・エネルギー本部長 上席エネルギーコンサルタント 表伸也)

近年増加する大きな自然災害

もっと知りたいエネマネ講座

これまで、

  1. 地球温暖化とエネルギーマネジメント
  2. エネルギーマネジメントの基礎知識
  3. 電力料金の仕組み
  4. 省エネルギーの実践①
  5. 省エネルギーの実践②
  6. 省エネルギーの実践③
  7. 創エネルギーと蓄エネルギー
  8. これからのエネルギーシステム
  9. 補助金について

について、お話してきました。

現在、自然災害が多く発生しています。それも、「観測史上最大」「数十年に一度の非常事態」「災害警戒レベルのうち最も高いレベル5」などの言葉を非常に多く聞くようになってます。そして先の台風です。
これらに関しましては、当方も含め皆さんも、地球にとってみれば非常に短い期間である”生まれてから現在まで”の期間の中でさえも、大きく気候が変化していることが実感できるほどです。
地球の1万年周期の定期的な気候変動だ、などと言う人もいますが、1万年周期の変化がここ数十年で実感できるほど急激に変化(グラフにすると粗直角になるほどの傾き)で起こるはずもなく、やはり人間の活動による温室効果ガスの排出で起こる、地球温暖化に伴う気候変動によるものであることはほぼ間違いないと思われます。令和元年だけでも、

  • 8月26~28日頃 九州北部豪雨
    • 大雨特別警報 【レベル5】佐賀県、福岡県、長崎県
    • 主な期間降水量 長崎県平戸市5ミリ、佐賀県唐津市533.0ミリ
    • 主な人的被害 死者…福岡県八女市1名、佐賀県武雄市3名
    • 主な住家被害 全壊…佐賀県1棟、床上浸水…福岡県130棟・佐賀県383棟・長崎県21棟、床下浸水…福岡県375棟・佐賀県723棟・長崎県66棟
  • 9月5~9日頃 台風15号
    • 最大風速 千葉市で最大風速、35.9メートル、最大瞬間風速57.5メートルを観測
    • 主な期間降水量 静岡県伊豆市天城山5ミリ、東京都大島町大島314.0ミリ
    • 主な人的被害
      • 【死者】東京都1名
      • 【重傷】千葉県6名、神奈川県3名、埼玉県1名茨城県1名
      • 【軽傷】千葉県74名、神奈川県10名、東京都7名、埼玉県9名、茨城県22名、栃木県1名、静岡県13名
    • 主な住家被害
      • 【全壊】千葉県114棟、神奈川県4棟、東京都8棟、茨城県3棟、福島県1棟【半壊】千葉県1371棟、神奈川県21棟、東京都89棟、静岡県2棟
      • 【一部破損】千葉県17186棟、神奈川県1570棟、東京都1460棟、埼玉県15棟、茨城県103棟、栃木県3棟、静岡県38棟
      • 【床上浸水】千葉県58棟、神奈川県30棟、東京都13棟、埼玉県1棟、福島県5棟
      • 【床下浸水】千葉県67棟、神奈川県32棟、東京都7棟、茨城県1棟、福島県6棟、静岡県2棟
    • 停電  最大供給支障戸数約934,900戸
    • 断水 千葉県・東京都・静岡県で合計最大139,744戸

と、これだけの異常気象と思われる自然災害により甚大な被害が発生しています。これは、現代を生きる私達が起こした自然災害であり人災とも言えます。今後を長く生きる若者達には、非常に大きな負担を与えることになってしまいました。したがって、大分悪化はしているものの、とにかく現状維持のままの環境を次世代の人々に引き継ぎたいものです。

温室効果ガス排出の大きな原因は、化石燃料(地中にあるもの)を燃やし(地上に出す)エネルギーとして取り出し使うことです。したがって、化石燃料起源のエネルギーの使用を極力減らす必要があり、そのためにはエネルギーマネジメントが非常に重要となるのです。

グレタ・トゥーンベリさんの演説

私達は現代を生きるものとして、環境への責任を果たす必要があります。最後に、国連の温暖化対策サミットで演説した16歳の少女であり活動家のグレタ・トゥーンベリさんの、演説の全文をご紹介して、この連載を終了します。

「私が伝えたいことは、私たちはあなた方を見ているということです。そもそも、すべてが間違っているのです。私はここにいるべきではありません。私は海の反対側で、学校に通っているべきなのです。

あなた方は、私たち若者に希望を見いだそうと集まっています。よく、そんなことが言えますね。あなた方は、その空虚なことばで私の子ども時代の夢を奪いました。

それでも、私は、とても幸運な1人です。人々は苦しんでいます。人々は死んでいます。生態系は崩壊しつつあります。私たちは、大量絶滅の始まりにいるのです。

なのに、あなた方が話すことは、お金のことや、永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり。よく、そんなことが言えますね。

30年以上にわたり、科学が示す事実は極めて明確でした。なのに、あなた方は、事実から目を背け続け、必要な政策や解決策が見えてすらいないのに、この場所に来て「十分にやってきた」と言えるのでしょうか。

あなた方は、私たちの声を聞いている、緊急性は理解している、と言います。しかし、どんなに悲しく、怒りを感じるとしても、私はそれを信じたくありません。もし、この状況を本当に理解しているのに、行動を起こしていないのならば、あなた方は邪悪そのものです。

だから私は、信じることを拒むのです。今後10年間で(温室効果ガスの)排出量を半分にしようという、一般的な考え方があります。しかし、それによって世界の気温上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は50%しかありません。

人間のコントロールを超えた、決して後戻りのできない連鎖反応が始まるリスクがあります。50%という数字は、あなた方にとっては受け入れられるものなのかもしれません。

しかし、この数字は、(気候変動が急激に進む転換点を意味する)「ティッピング・ポイント」や、変化が変化を呼ぶ相乗効果、有毒な大気汚染に隠されたさらなる温暖化、そして公平性や「気候正義」という側面が含まれていません。この数字は、私たちの世代が、何千億トンもの二酸化炭素を今は存在すらしない技術で吸収することをあてにしているのです。

私たちにとって、50%のリスクというのは決して受け入れられません。その結果と生きていかなくてはいけないのは私たちなのです。

IPCCが出した最もよい試算では、気温の上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は67%とされています。

しかし、それを実現しようとした場合、2018年の1月1日にさかのぼって数えて、あと420ギガトンの二酸化炭素しか放出できないという計算になります。

今日、この数字は、すでにあと350ギガトン未満となっています。これまでと同じように取り組んでいれば問題は解決できるとか、何らかの技術が解決してくれるとか、よくそんなふりをすることができますね。今の放出のレベルのままでは、あと8年半たたないうちに許容できる二酸化炭素の放出量を超えてしまいます。

今日、これらの数値に沿った解決策や計画は全くありません。なぜなら、これらの数値はあなたたちにとってあまりにも受け入れがたく、そのことをありのままに伝えられるほど大人になっていないのです。

あなた方は私たちを裏切っています。しかし、若者たちはあなた方の裏切りに気付き始めています。未来の世代の目は、あなた方に向けられています。

もしあなた方が私たちを裏切ることを選ぶなら、私は言います。「あなたたちを絶対に許さない」と。

私たちは、この場で、この瞬間から、線を引きます。ここから逃れることは許しません。世界は目を覚ましており、変化はやってきています。あなた方が好むと好まざるとにかかわらず。ありがとうございました。」

以上です。10回に渡るご購読をありがとうございました。

(おわり)

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表伸也執行役員_20170913_135714_565表伸也(おもて しんや)
ミカド電装商事(株)取締役環境・エネルギー本部長 上席エネルギーコンサルタント

大手通信会社のエネルギー管理士として、大規模データセンター等のエネルギー管理業務に長年携わり、数多くの電力設備・空調設備等の省エネ実績を持つ。近年では、太陽光発電設備の設計・施工等創エネに関する実績も豊富な、エネルギーマネジメントのエキスパートである。2018年より環境省環境カウンセラー

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