驚異のエネマネ新技術⑬ ~コオロギがビジネスになる?コオロギせんべい商品化~

SDGs

無印良品がこの春、コオロギせんべいを発売予定!

びっくりするニュースを目にしました。

無印良品を運営する良品企画が徳島大学と共同で「おいしく食べられる昆虫食」の開発を進め、今年の春にはなんとコオロギせんべいを発売予定だそうです。

コオロギせんべいは、徳島大学の研究をもとに量産したコオロギをパウダー状にし、それをせんべいに練りこんだ商品とのこと。発売価格はまだ未定のようです。

良品計画では、世界の急激な人口増による食糧確保と環境問題は、今後、避けては通れない課題と考え、昆虫食研究の第一人者の徳島大学と協業し、コオロギを食材とするための取り組みを始めました。

そして、徳島大学の食用コオロギの研究成果に同社の商品開発プロセスを重ね合わせ、おいしく食べられる昆虫食の開発を進めています。

つかわれるコオロギは主に東南アジアなど熱帯地域に生息する「フタホシコオロギ」という品種で、これまで一般的に食用とされてきたコオロギよりも成体が大きく、栄養価も高いということです。

こんな話題は聞きたくなという方もいらっしゃると思いますが、コオロギは以下に示す通り、食用とするメリットがとても大きい昆虫です。

コオロギを食用とするメリット

korogi栄養価が高い

主要な栄養素、たんぱく質やカルシウム、鉄分などを体内に多く含むので、それらを効率よく摂取できます。

環境負荷が少ない

主な動物性たんぱく質資源の家畜に比べて、生育する際の温室効果ガス排出量や、必要な水やエサの量が圧倒的に少なく、環境負荷も軽減されると言われています。

生産が効率的

飼育しやすく安定して生産でき、他の昆虫よりも成長が早く約35日で収穫できるという点で高く評価されています。また、エサは主に穀物類ですが、雑食なのでエサの選択肢が広く、未利用のまま廃棄される食糧の問題にも貢献する可能性があると言われています。

(引用:無印良品 コオロギせんべい 開発のお知らせ

これを読むと、確かに家畜と比べると環境負荷がとても小さく、エコでSDGs(エスディジーズ)な食べ物になり得る可能性を感じますが、残るのはやはり心理的抵抗ですよね。

私はイナゴの佃煮が大好きですが、初めて食べたのが分別のつく大人になってからだったので、さすがに最初は勇気が要りました。けれど一口食べたらとても美味しかったので、それ以後は完全にとらえ方が切り替わり、いまでは魚の小女子のようにお惣菜の材料といったイメージです。はたしてコオロギもそうなるのでしょうか?

気になるお味は?

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食用の乾燥コオロギとコオロギパウダー(出典:日本経済新聞

実際にコオロギを食べたことがある方の話では、お味は「アーモンドと小魚のお菓子に入ってるようなカタクチイワシの干物みたいなカルシウム満点の」食味だそうです。

販売元の良品計画の社内でも「エビのような味で意外と美味しい」と好評でした。当初、コオロギの形状を残したフリーズドライ状のものを試した時には心理的抵抗がある人もいましたが、粉末状にしたことで抵抗感が消えた人もいました。

私達はギョッとしてしまいますが、アジアでは一部の地域や民族で、油で揚げたセミやタガメが普通に売られて、スナックとしてポリポリと日常的に食べられています。なので昆虫は、本当は美味しい食べ物なのだと思います。

そうやってこの記事を書くにあたり色々調べていると、なんと!私達の宮城県ですでに先駆者がいるではありませんか!その名も「大崎田尻迷菓 かかしさんのおやつ」という華月堂さんイナゴいりクッキーです!!(「迷菓」の「迷」は間違いやジョークではなく、本当に袋にそう書いてあります^^)

コオロギでもなくせんべいでもありませんが、省農薬米を生産している田尻町の田圃で育ったいなごを乾燥粉末にしてクッキー生地に練り込み、丹精込めて作った佃煮をのせて焼き上げたクッキーは、まさに今回の発想と同じですよね。

次世代未来食のコオロギビジネスがスタートしている

cricket bread

(株)大学シーズ研究所のコオロギパン(出典:徳島新聞

栄養満点で環境にもやさしい優れた食品とわかっていても、日本人にはなんとなくゲテモノ扱いされそうなコオロギですが、実はいま、昆虫食は国連も推奨している将来有望な未来食なのです。

国連の統計などでは「世界人口は2050年には96億人に達し」「ここ30年で食糧生産を60%増加しなければならない」という勢いだそうです。そこで国連食糧農業機関(FAO)は世界の食糧危機の解決に、栄養価が高い昆虫類の活用を推奨する報告書を2013年に発表しました。

徳島では徳島大学発のベンチャーが立ち上がり、株式会社大学シーズ研究所ではコオロギの粉末を練り込んで栄養価を高めた災害備蓄用のパンを開発して大学や自治体、教育機関、企業への販売を見込んでいます。

また、同系のベンチャーである株式会社グリラスでは、自然エネルギーによる発電事業やIT(情報技術)を活用したベビーリーフ、イチゴなどの植物工場を運営する太陽グリーンエナジー(埼玉県嵐山町)と技術支援契約を結び、食用コオロギの効率的で安定した繁殖や系統維持に関する技術で助言するほか、飼育施設の管理も支援します。

グリラスは食用コオロギの自動飼育システムを2023年をメドに実用化させ、外販する計画もあります。持続可能で低コストのたんぱく源として世界的に注目を集める昆虫食の市場をいち早く開拓するのが狙いです。

いままでこのシリーズでは、主にエネルギーの話題を扱ってきましたが、食べ物の分野でもSDGsの発想が着々と浸透し始めていることを改めて痛感しました。

(ミカドONLINE編集部)


出典:
おいしい昆虫食の開発目指す無印良品、20年に「コオロギせんべい」発売へ 無印良品、『コオロギせんべい』を2020年に発売へ。開発担当「エビのような味で意外と美味しい」 無印良品 コオロギせんべい 開発のお知らせ 無印良品が『コオロギせんべい』を発表!「コオロギってどんな味?」食べたことがある人に聞いてみた 食糧難救う? 国連が推奨 徳島大発のグリラス、食用コオロギ 23年自動生産へ 徳島大学発ベンチャーがコオロギパン発売など。

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