【雑学】幸運だけじゃないシロツメクサのパワー


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    新緑がまぶしい季節です。さまざまな草木が芽吹く中を歩くのは気持ちがいいですが、そんな時ついつい探してしまうものと言えば、願いを叶える四つ葉のクローバー。クローバーとはマメ亜科の一つ、シャジクソウ属の英語での総称ですが、日本でクローバーと言うとシロツメクサを指すことが多いようです。小さい頃、シロツメクサで腕輪や花かんむりを編んで遊んだという人もいるかもしれません。

     

    とても身近な植物であるシロツメクサ。漢字にすると「白詰草」です。その由来は、1846年にオランダからガラス容器が献上された際、乾燥させたものが緩衝材として「詰め」られていたことからだそう。明治に入ると牧草として導入され、それが野生化して全国に広まっていきました。

    マメ科であるシロツメクサの根にはこぶが付いています。その中には根粒菌がいて、空気中から取り込んだ窒素を固定し、宿主の植物に供給します。植物にとって非常に重要な栄養となる窒素ですが、普通の植物は土の中にあるものを根から吸収するため、土壌には不足しがち。そこで肥料をあげる訳ですが、シロツメクサは窒素を自分で作り出し、しかも刈り取って土に梳き込めば緑肥として肥料にもなってくれるという優れものなのです。繁殖力もとても強く、いったん蒔くと完全に除去するのが難しいほどだとか。ミツバチも呼び寄せるので、他の植物の生育にも役立ちます。
    四つ葉のクローバーは幸運、五つ葉は金運を運ぶなどと言われますが、ジンクス以外にも強いパワーを持った植物なんですね。



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