【雑学】本当は「”歳”忘れ」だった忘年会

    p>今年も残すところあと2カ月。年末と言えば忘年会、という人も多いのではないでしょうか。

    基本 CMYK漢語としての「忘年」は、中国故事に「忘年の交わり」とある通り年齢差を問題にしないことを指しますが、日本人は「その年の苦労を忘れる」という意味に解釈し直したそうで、一年の労をねぎらう忘年会は日本特有の文化とのこと。その始まりは鎌倉もしくは室町時代。当時は皇族や貴族が和歌などを楽しむ厳かなものでした。

    江戸時代になると、庶民も年忘れとして酒やつまみを楽しんで一年の憂さを晴らすようになりましたが、現在のように賑やかなものではなく、親しい者同士で静かに行っていたようです。職場での宴会が始まったのは、明治時代になってから。ボーナスが出た官僚や帰郷しない学生が「どんちゃん騒ぎ」をするようになったとか。昭和になると、企業の忘年会を中心に規模、予算が拡大。女子社員の参加も増えていきます。また、楽器の演奏や手品などの芸を素人が披露する「かくし芸」、座布団回しなど宴会でしか通用しない「宴会芸」といった余興が付き物になりました。

    ちなみに、忘年会でよく聞く「無礼講」という言葉。鎌倉幕府を倒す意思を探ろうと後醍醐天皇が身分の上下やしきたりを抜きにして設けた酒宴が由来とされています。席順が厳しく決まっていた公家社会の宴席では、一度座った座から移動することはありませんでした。このしきたりを無視して座席を立つこと、つまり現代で言えば、参加者が席を立って上司や先輩にお酌をすることも、「無礼講」の本来の意味と言えます。「今日は無礼講で…」と言っても、あまり羽目を外しすぎず、自分の立場を弁えながら楽しい忘年会にしたいですね。

    <h