メガソーラーについて①~今さら聞けない基本編~

    1. メガソーラーについて①~今さら聞けない基本編
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    ご存じのとおり、2012年7月から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が始まり、
    メガソーラー(1000KW以上の太陽光発電)事業が大きなブームとなっています。
    今回はあらためて基本的な事柄をまとめてみます。

    メガソーラーは前述の制度により初期費用の回収時期や以降の利益が確実に
    見込まれるようになったため、急激に投資の対象として注目が集まり、近年は様々な
    事業者が発電事業に参入してきています。

    ◎メガソーラーの一例 (いわきユアサ太陽光発電所)
    ↓↓↓
    http://homepage-town.jp/mikado-d/reference/201402.html#01

    1000KWのメガソーラーを例に、売電の金額を計算してみましょう。

    ◎設備の出力×1000(平均的な年間日照時間)=年間発電量
    ◎年間発電量×買取金額(現在は税込37.8円)=年間売電金額

    上の式に当てはめると、1000KW(1MW)のメガソーラーの場合は、
    ◎1000KW×1000=1,000,000KWh(100万KWh)
    ◎1,000,000KWh×37.8=37,800,000円(3780万円)

    1000KW(1MW)のメガソーラー設備の初期費用の目安は3億5000万円ですが、
    前述のように年間で約3780万円の売電収入があると仮定すると、初期費用は
    調達期間(20年)の半分の約10年で回収でき、残りの10年間で合計3億7800万の利益
    (予定利回り約4 %)を上げられる計算になります。

    2012年7月から12月の間に認定された742件の設備のうち、1システム当たりの
    平均出力は約3000KW(3MW)ですから、実際にはもっと大きな事業規模となっている
    ことがわかります。

    現在、日本で最大のメガソーラーは昨年11月に運用を開始した京セラグループの
    「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」です。
    東京ドーム約27個分の土地を使い、発電システムは70MW、年間の収入は30億円を
    超える見込みとのことで、その収益性に関心が高まっています。
    ↓↓↓
    http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1310/24/news018.html

    さて、メガソーラーでの買取価格が売電契約時から20年間変わらないことは国から
    保障されていても、契約時の固定買取価格の金額自体は毎年見直されます。
    2012年の制度開始当初は1KWhあたり42円(税込)でしたが、2013年は37.8円に
    下がりました。
    ↓↓↓
    http://homepage-town.jp/mikado-d/reference/201402.html#02

    この価格は今後も下がっていくことが予想されるため駆け込み申請が相次いでいますが、
    実際は施工数の増加により設置コストも下がっており、ブームの勢いが極端に
    鈍化することは当面なさそうです。

    一方、用地に関しては争奪戦の激化で現在は土地の不足が起こっています
    また、公共のインフラである電力会社の送配電設備につなげるためには、課題や調整が
    出てくることもあり、電力会社との接続の問題で計画を断念せざるを得ないケースも
    あるようです。

    メガソーラーでの買取価格は、ビジネスとして成り立つように、投資に対して毎年4%、
    最初の3年間はさらに配慮して6%の利潤になるように設定されていますが、現在の状態が
    今後も続くという保証はありません。

    また2020年度までには抜本的な見直しが行われることになっていることから、
    今後も制度の動向については常に把握しておくことが必要です。

    次回は、メガソーラー設置にあたっての注意点やメンテナンスでの意外な盲点などを
    お伝えします。

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    ┃2. 法則の法則 【ランチェスターの法則①】~広域戦では差が拡大~
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    ランチェスターの法則は英国人のランチェスターが1914年に発表した軍事戦略理論です。
    ランチェスターは戦闘を大別し、二つの法則を考案しました。

    【第一法則】攻撃力=兵力数×武器性能
    【第二法則】攻撃力=兵力数の二乗×武器性能

    第一法則は刀・槍などを使って1対1で攻撃し合う局地戦、接近戦、一騎打ちの場合に
    当てはまります。
    武器(兵士の技能・練度を含む)の性能が同じならば、攻撃力は戦闘員の数に比例すると
    いうものです。

    当然とも思えるこの法則が昨今注目されている理由は第二法則との対比にあります。

    第二法則に当てはまるのは互いにマシンガンやミサイルを持って戦うような広域、遠隔、
    多人数同士の戦いです。
    その場合の攻撃力は兵力の”二乗”に比例するので、広域戦では兵力数の差が想像以上に
    結果に表れてしまうということになります。

    この理論は、日本ではビジネスに応用され日本における「ランチェスター戦略」のベースに
    なっています。
    (つづく)