もっと知りたいエネマネ講座① ~地球温暖化とエネルギーマネジメント~

    みかドン ミカどん今月から当社の表伸也がエネルギーマネージメントについての記事をお届けします。10回シリーズの予定です。皆さんどうぞよろしくお願いいたします。(※このシリーズの全記事はこちら

    もっと知りたいエネマネ講座

     

     

    表伸也(おもて しんや)
    当社取締役環境・エネルギー本部長 上席エネルギーコンサルタント

    世界中が暑くなってきています

    平成29年7月九州北部豪雨、平成30年7月西日本豪雨、命に危険が及ぶ40℃近い気温が毎日続く昨今、ここ1年間だけを見ても気候が以前と大きく変化してきているのを実感できるのではないでしょうか。
    「観測史上最高」という言葉が乱舞している状態です。日本だけではありません。世界中が暑くなってます。
    IPCCの第5次報告書では、「気候変動は、人間活動の影響が主な要因である可能性が極めて高い(95%以上)」といってます。世界気象機関(WMO)は2018年8月に、今年の世界の平均気温が観測史上最高になる可能性があると発表しました。
    今年1〜10月の世界平均気温は、1961〜1990年の30年間の平均気温14度を0.57度上回ったと発表。
    1850年に観測を始めて以来、最も高くなる可能性が高いということです。もう引き返せないところまできてるのではないでしょうか。

     

    エアコンなしで生きていけないのは自然のせいではない

    単純に考えてみましょう。塀で囲まれた3軒しかない集落があります。これまで、真夏といってもせいぜい気温は30℃でした。
    ある時、1軒の家にエアコンが設置されました。
    その家は、30℃は暑いといってエアコンを使い、室温を30℃から28℃に下げました。その2℃の熱は、室外に排出され、逆に集落全体の気温は1℃上昇しました。
    つまり、自分だけ28℃の部屋で快適に暮らす代わりに、集落の他の家の温度を1℃上げているわけです(迷惑をかけているという自覚もなく)。
    それも、電力を使ってです。

    集落には温室効果ガスが排出され、更に気温が上がってしまいました。
    そこで、残りの2軒も暑さに耐えられなくなり、エアコンを設置して使い出しました。
    集落の温度は更に上昇し、もうエアコンなしでは生きていけなくなりました。
    集落の気温を下げる手立てはなくなり、集落の3軒の家は一生外に出られなくなりました。
    今は、「もうエアコンなしでは生きていけなくなりました」まで、来てしまったのではないでしょうか。
     

    これは、これまでの歴史のように、なにか画期的な方法が編み出されてあるとき突然解決する、問題では無さそうです。
    とにかくまずは、現状を維持し悪化を防ぐ手立てを至急打つ必要があるのです。
    地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出は、エネルギーの使用で発生します。
    したがって、当面打てる手立てとしては、エネルギーマネジメントです。
    省エネ・創エネ・蓄エネ、それぞれの特徴を駆使し、エネルギー使用を徹底的に管理する必要があります。

    (次回につづく)

    ▶次の記事:もっと知りたいエネマネ講座② ~エネルギーマネジメントの基礎知識~

     


    表伸也執行役員_20170913_135714_565表伸也(おもて しんや)
    ミカド電装商事(株)取締役環境・エネルギー本部長 上席エネルギーコンサルタント
    大手通信会社のエネルギー管理士として、大規模データセンター等のエネルギー管理業務に長年携わり、数多くの電力設備・空調設備等の省エネ実績を持つ。近年では、太陽光発電設備の設計・施工等創エネに関する実績も豊富な、エネルギーマネジメントのエキスパートである。2018年より環境省環境カウンセラー

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