中小企業が診断全額と設備費1/2の補助を受けられるポテ診H31も

    ポテ診&低炭素機器導入「補助金」

    中小企業が診断費用全額と設備更新1/2の補助を受けられる、環境省の『CO2削減ポテンシャル診断推進事業』が今年(次期平成31年度)も開始される予定です。平成31年度の予算案は今期と同額の20億。内訳は本体のCO2削減ポテンシャル診断・対策実施支援事業に17億、事業の普及啓発等に3億とのことです。(出典:CO2削減ポテンシャル診断推進事業PDF/環境省

    『CO2削減ポテンシャル診断推進事業』には

    CO2削減ポテンシャル診断推進事業

    の、2つの異なる補助金制度が含まれます。この二つの事業を合わせて『CO2削減ポテンシャル診断推進事業』と総称し、環境省が複数打ち出している二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金のひとつに位置付けられています。

    中味を簡単に説明すると、
    ①専門の機関に診断と提案を受けるための費用。
    ② “①”で得られた診断と提案に沿って10%以上(中小企業以外は20%)のCO2削減が可能な対策を実施するための費用。
    この①と②に対して、国(環境省)がそれぞれ別個に補助金制度を設けているものです。

    解説をする表伸也上席コンサルタント
    エネルギーマネジメントセミナーで解説をする当社の表伸也上席コンサルタント

    補助金はツーステップ制になっており、②の申請には①の診断が必須ですが、②の設備の更新や低炭素機器の導入は必須ではないため、①だけの申請も可能です。実質的な事業の運営は、執行団体として環境省の指定を受けた一般社団法人 低炭素エネルギー技術事業組合が行っています。

    CO2削減ポテンシャル診断推進事業は略して”ポテ診”と言われていますが、当社(ミカド電装商事)は宮城県で唯一の認定診断機関であり、東北で指定されている8つの認定診断機関のうち、唯一北陸までを対応地域としている診断機関です(認定診断機関リストはこちら)。”ポテンシャル”の元々の意味は潜在能力や可能性ということです。では、そもそもポテ診とはどんな補助金事業なのでしょうか?

    ※2019年度(平成31年度)予算の成立が前提となるものです。そのため以下の内容は変更になる場合があります。

    詳しくは当社にお問い合わせください

    そもそもCO2削減ポテンシャル診断事業ってなに?

    CO2削減ポテンシャル診断事業

    この項目では、『CO2削減ポテンシャル診断推進事業』のうち、最初のステップである①『CO2削減ポテンシャル診断事業』(診断のみ)についてご説明します。

    CO2削減ポテンシャル診断事業とは、国から認定を受けた専門の診断機関が、診断を希望する事業者を訪問して現在のエネルギー消費状況を測定し、効果的な設備導入や運用改善の提案、それにかかるコストやCO2削減効果の試算などを行う事業です。

    この事業では診断費用のうち最大110万円まで(税別)を国が補助してくれます。通常の診断は110万円以内で収まることが多いため、診断を希望する事業者は、補助金を活用すれば実質無料で省エネ診断ができ、かつ、専門的な対策の提案も得られるというものです。

    補助金の上限額(税別)
    平成30年度(今期)の上限額(出典:低炭素エネルギー技術事業組合)

     

    この事業で対象となる事業所は以下の通りです。

    ア. 直近年度における年間CO2排出量が50トン以上3,000トン未満の日本国内の事業所であること。
    イ. 過年度に環境省の「CO2削減ポテンシャル診断」を受診していないこと。但し、受診のあった同一法人であっても別の事業所であれば応募可とします。
    ウ. 直近2期の決算において、連続の債務超過(貸借対照表の「純資産」が2期連続でマイナス)がなく、適切な管理体制及び処理能力を有すること。
    エ. 暴力団排除に関する誓約事項に誓約できるものであること。
    ※同一法人は3事業所まで応募できます。

    (出典:平成30年度CO2削減ポテンシャル診断事業公募要領)

    「年間CO2排出量が50トン以上3,000トン未満」というのは、電気で換算すると年間の電力使用量が概ね10万~550万kWhの事業所を指し、目安としては月々の電気料金が20万円以上のビルや工場が対象と考えるとわかりやすいかもしれません。

    ポテ診を受けると設備の更新にも補助金を申請できる

    ボイラー

    さて、診断を受けて自社の課題や対策がわかったとしても、それを実施しなければ何の効果も得られません。前述のように「CO2削減ポテンシャル診断推進事業」はツーステップ制の補助金事業となっており、診断事業のその先には、実際の設備更新や新機器を導入するための「低炭素機器導入事業」という補助金制度があります。

    これは「CO2削減ポテンシャル診断推進事業」を受診し、設備の更新や運営面の対策によって10%以上(中小企業以外は20%)のCO2削減が見込める施策に対し、国が最大で2000万円(LED照明は1,000万円で中小企業のみ)の補助を実施するものです。(今期実績)(平成29年以前は上限が3000万円、LED照明が1500万円でした)

    補助率は1/2(中小企業以外は1/3)で、対象設備は照明、空調、ボイラ等の低炭素機器(LED照明は器具を除く配線工事等が対象)など。対象になる経費は工事費、設備費、事務費などです。

    そのため、現在、設備の老朽化などで更新を検討されている中小企業の事業者様が「CO2削減ポテンシャル診断推進事業」を受け、設備更新等で10%以上のCO2削減が可能となった場合は、補助率の高い(1/2)「低炭素機器導入事業」に申請することができます。

    公募は毎年、5月に行われ、状況に応じて8月に二次公募があります。直近の3年間で「低炭素機器導入事業」に採択された事業所は以下の通りです。

    平成28年度第一次公募 平成28年度第二次公募
    平成29年度第一次公募 平成29年度第二次公募
    平成30年度第一次公募 平成30年度第二次公募

    「低炭素機器導入事業」の補助金も「CO2削減ポテンシャル診断事業」同様に公募期間が短いのですが(例年5月開始、予算が埋まり次第終了)、診断事業と異なり、CO2の削減率などの審査項目で得点の高い順に採択されるなど、申請してもすべてが採択になるとは限りません。よって、当社では”ポテ診”にとどまらず、ハードルが低く実現への可能性がより高い、ほかの補助金の活用なども勘案しながら、お客様の規模と業種に合った最適のプランをご提案しています。

    いずれにしても「CO2削減ポテンシャル診断事業」(診断のみ)はそのために必要な最初のステップとなるわけですが、必ずしも設備を更新する必要はなく、受診するだけの活用も もちろん可能です。それが実質無料なのですから、非常にお得な制度と言えるのではないでしょうか。

    詳しくは当社にお問い合わせください

    CO2削減ポテンシャル診断事業(診断のみ)の今までの実績は?

    trim_過去3年間の採択事業所_DSC09823

    3年間の採択事業所
    今はまだ平成30年の年度内ですが、ポテ診は毎年5月に公募を開始し先着順(1000件)で早々に締め切られるため、今期の事業はすでに終了しています。今期も含めた直近3年間の実績(全国)は以下の表の通りです。

    応募件数 採択件数 採択率※四捨五入 採択事業所
    平成28年度 606件 557件 92% H28年度PDF
    平成29年度 1,132件 1,047件 92% H29年度PDF
    平成30年度 716件 687件 96% H30年度PDF

    スケジュール
    また、今期の事業(終了)は以下に示したスケジュールで運用されました。来期のスケジュールはまだ未定ですが、例年通りであれば、同様の流れで進むと思われます。その場合は、4月に開催される公募説明会が本事業の第一歩となります。この説明会は昨年、仙台でも開催されました。

    補助金制度は「仕組みが複雑」「手続きが煩雑」「理解が難しい」「資料をまとめる時間がない」などの理由で、敷居の高さを感じて敬遠される方も多いのですが、一度活用してみると有益な制度であることがよくわかります。

    そのため、当社のお客様の中でも慣れた事業者様とそうでない事業者様の間には大きな温度差がありますが、ミカド電装商事では宮城県唯一の診断機関として、ベテランの担当者が誠意をもって対応させていただいておりますので、ご安心ください。

    最終的な確定は今年度の予算次第ということになりますが、例年通りであれば4月には公募説明会が開催されます。ということは今からあと二か月もありません。もしこの記事をお読みになってわかりにくかった箇所などがあれば、どんな小さな疑問や不安でも結構ですので、当社まで遠慮なくお早めにお尋ねください。

    詳しくはぜひ当社にお問い合わせください

    最後に各種のリンクを掲載いたしました。ご関心のある方はどうぞご参考になさってください。

    ●当社の診断を受けられた長岡ダイカスト工業株式会社様
    ●平成30年度のCO2削減ポテンシャル診断事業「公募要領」(終了分)
    ●平成30年度の低炭素機器導入事業「公募要領」(終了分)
    ●CO2削減ポテンシャル診断「ガイドライン」(第1版)
    ●ポテンシャル診断 Q&A集(平成28年度)
    ●平成30年度CO2削減ポテンシャル診断事業 診断機関登録リスト